2008年12月29日月曜日
『脳にいいことだけをやりなさい!』 マーシー・シャイモフ
脳科学者の茂木健一郎さんが訳している本。
脳科学の立場からいうと,幸せを感じるには特別な豊かさなど必要なくて、自分の脳がそれをどう評価するか、によって”幸せ度”は決まるらしい。
ポジティブ心理学という心理学によると、人間にはそれぞれの脳の中に設定された”幸せ度”がある。
”幸せ度”は「意識的に変えようとしなければ」いつまでも同じ値に留まるとのこと。
何を経験しようと(よい経験であれ、悪い経験であれ)、人はそれぞれ設定された”幸せ度”に戻ってくる。
宝くじを当たった人もその”幸せ感”は継続せずに1年経つと元に戻ってしまう。事故に遇った人も同じように不幸感は継続せずにまたもとの”幸せ度”に戻る。
その”幸せ度”を左右するのは50%が後天的な要素。
「財産」「夫婦関係」「仕事」といった環境要因は、”幸せ度”にたった10%しか影響を与えず、あとの40%は習慣的な考え方や気持ち、使う言葉や行動によって決まるということが分かって来た。
ということで、その”幸せ度”を意識的にアップするための手法が様々述べられている。
その中の一つに「幸せを奪う3つの習慣」として
①不平を言う。
②他人のせいにする。
③自分を恥じる。
が挙げられていた。
先日読んだ勝間和代女史の『仏教の三毒』(妬む・怒る・愚痴る)と通じるところがあって面白いと思った。
また、「睡眠の質は、家計状態や夫婦関係よりも、日々の幸福感に影響を与える」by 2004年のサイエンス誌
ということで、アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)医師による「
真夜中前の1時間の睡眠は、真夜中過ぎの2時間の睡眠より価値がある。気持ちが落ち込んだときには続けて3日間、夜10時(できれば9時)には眠りなさい」
という話もあった。
やはり早寝早起きは三文以上の得をするらしい。
これから(も)心して睡眠をとるようにしよう。
妻に勧めたところ、非常に参考になるといって付箋をはって読んでいた。
闘病に向けて前向きな心をつくるのに、とてもよい本であると思う。
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